私のまだまだ数少ないトライアスロン大会の経験ですら、それぞれの大会ごとの違いというのは歴然としています。
あえて極端な言い方をするなら「スイム1.5㎞・バイク40㎞・ラン10㎞っていう共通のお約束を持つているだけの、それぞれ全く違う競技」とさえ言えると思います。
それは大会の規模に始まり集まる競技者の「ガチ具合い」や運営組織の雰囲気、そして何よりもその大会・その土地を自転車や自分の足で駆けるコースそのものの違いだったりするのですが、そんな中でそれらの違いをすべてひっくるめて私にとって「コレは特別!!」と言える大会があります。
栃木県矢板市で8月の第一日曜日に開催される「たかはらやまトライアスロン」です。
一昨年はいくつかの大会に参加したものの、昨年はプライベートで忙しくて参加できた大会はただ一回のみ、2018 東京都トライアスロン渡良瀬大会だけでした。
それ以外の参加できなかったいくつかの大会のうち、一番心残りだったのがこのたかはらやまトライアスロンに参加できなかった事でした。
このたかはらやまトライアスロン、特殊なスイムから始まって「トライアスロンでこのコース決めたスタッフはどうかしてるバイクコース」を経て「他人が苦しむのをニヤニヤして眺められるドSが決めたに違いないランコース」へと続きます。
正直言いまして私なんぞでは絶対に良い成績は出せません。謙遜でもなんでもなくまさに「完走できた者が勝者」を地で行く大会です。何故か大好きなんですよねぇ、この大会。
そんなワケでひたすら雨に見舞われた2019年の梅雨がようやく開けた8月4日。
前々回の渡良瀬遊水地と前回の霞ヶ浦トライアスロンフェスタが共に雨が心配だったのに比べて、うって変わって雨の心配はないけどむしろ熱中症がシャレにならないレベルで心配なくらいという元気すぎる太陽の下、2年越しに待ちわびたたかはらやまに行ってまいりました。
早い時間に到着できたのが功を奏して、トランジションエリアすぐ脇の駐車場に車を停める事が出来たのでセッティングはずいぶんと楽でした。
駐車場で車が隣になったUさんという方とお話しする事が出来まして、私が知らない他の大会の話などを色々聞かせていただけたのが楽しかったです。私はまわりにトライアスロンをやっているという知り合いが皆無なので、こういう方と知り合えるのは本当に貴重なのです。
そのうちに受け付けが始まりトランジットのセッティング、それから開会式といつもの流れを経てスタートの時間になりました。
まずスイム。
関東圏にお住まいの方の中には「矢板って東北道の矢板?あそこって海だの湖だのってあったっけ?」という聡い方もいるかもしれません。正解です。
この大会のメイン会場は矢板運動公園、スイムコースはその中の屋外50mプールです。
コースロープで6コースに区切りまして、50m泳いだら隣のコースに移って折り返し、そこから50m泳いだらさらに隣のコースに移って…を繰り返して6コースを完泳すると50m×6=300m。それを5回繰り返します。
周回の記憶は自己責任。スイム・バイク・ランの共通した注意点として「周回コースを回っていると今自分が何周しているのか解らなくなる」というのがありまして、これは実際に経験してみるまでは「いやそれくらい覚えていられるでしょ」と思うのですが、いざ実走するとホントに解らなくなって焦ります(なので大会側が自転車にサイクルコンピューターの装着を義務付けたり奨励したりする大会が多い)。
大会側は目安として手首に巻くためのゴムを「使う方はご自由に」という形でドサッと準備してくれます。私も使わせてもらったのですが、最初に5本のゴムを巻いておいて一周終えるごとに回収箱に一本づつポイ。全部なくなれば5周おわりというシンプルで解りやすいシステムでした。

オープンウォーターに比べて当然ながら泳げる幅も抜ける隙間も限られているスイムコースで、狭さに閉口しつつもきれいな水でのトライアスロンがちょっと楽しかったりもします。
そう、私はきれいな水でのスイムはこのたかはらやまでしか経験ないのです。いつかは透明度の高いオープンウォーターでの大会に参加してみたいものです。

スイムを終えてバイクパート。いよいよこの大会のサドっぷりが顕れます。
矢板運動公園から10㎞ほどの距離に寺山ダムというダムがあります。
ダムというからには山を登った所にあるのは当然。
全体的に登り基調の、特にその後半はかなりしっかりとした登り坂でして、気候の良い時期にマイペースで登ればいい汗をかけそうですネというなかなかのサイクリングコースです。
ですがトライアスロンで走らせるのはどうかと思う。
しかも先述の様にこのダム脇の折り返し点までは片道10㎞、つまりオリンピックディスタンスではこの道を2往復させられます。2周回目に入った時の「今からまたさっきの道を行かされるのか…」という絶望は凄まじいです。
どうかと思う。
加えて本部である矢板運動公園へは、そこへ至る直前の進入路でグイッと登らされます。周回折り返し及びバイクパートの最後に、トドメとばかりに最後の脚力をもぎ取っていきます。
どうかと思う。

ヘロヘロになってトランジションに戻りランパート。ですがたかはらやまスタッフによるサドっぷりはむしろここからが本領発揮なのです。
ランパートのコースは言ってみればバイクと真逆でして、片道2.5㎞を2往復という構成は同じですがスタート地点から折り返し点まではひたすら下り。⤴⤵⤴⤵だったバイクに対して⤵⤴⤵⤴という作りです。
それなのに要らない共通点として、やはり運動公園への進入路が高台への登り。最後にグイッと登らされます。
私の貧脚でさえ、通常だったら「まぁちょっと高低差のあるコース」で済むかもしれませんが、バイクパートで脚が疲れまくっているこの状況では極悪です。
登山などで経験がある方もいらっしゃると思いますが、脚が疲れていると登り坂よりも下り坂の方がはるかに足にキます。ランパートの初っ端に下りを持ってくるたかはらやま、やっぱりどうかと思う。
バイクで疲れた足で走りだして、まずは運動公園からの急勾配を下ります。ほどなく傾斜は緩くなるのですが、緩くなったとはいえそこからは緩急織り交ぜた下り勾配がしばらく続きまして、ようやく平地になったかと思いきや足を慣らせたかどうかのうちに折り返し。今度は緩やかに登らされます。
やがて復路の後半でだんだん傾斜がきつくなり、折り返し点に至る最後でガツンと登り。バイクパートの時も思った「今からまたさっきの道を行かされるのか…」という絶望がまたもや襲ってきます。
「あとは帰ればようやく終わる…」とだけ思いながら1周回目よりもさらにきつく感じる下り坂を再び走り始めて2周回目に突入。我ながら歩いた方が早いんじゃないかとしか思えないスピードで、それでも止まらずにのたのたと走ります。コレは頑張ったというよりも、ここで歩いたり立ち止まったりしたら絶対に再スタートはできないと思っていたからです。繰り返しますがどうかと思う。

炎天下の下で辛うじて残っていた理性でエイドポイントでの水補給&水浴びを受けつつ、ようやく最後の復路へ。
多少なりとも脚力が残っていればラストスパートも考えますが、シメが登り坂なこのコースではそんな余裕なんかカケラも残っていません。最後の最後にダメ押しの急勾配を登りきって、ようやくフィニッシュできました。
キツかったーーーー!!!!!!!!!
青息吐息で何とかゴールを果たし、しばらくはへたり込んで身動きもできませんでした。

ですがこのたかはらやまには、ゴール後に極上のご褒美が待っていますのでそれを心の支えにしてなんとか再起動を果たします。
と言いますのも、ゴール後の参加者は「各自クールダウンにご利用ください」ということでスイムを泳いだ50mプールにドボンできるのです。
真夏のトライアスロンを終えたその体でプールに浸かった時の気持ちよさと言ったら!!!!
いやもうなんと言えばいいのか、ちょっと言葉では言い表せません。
もう、その瞬間の快感を思い出すだけでレース中のキツさも忘れてウットリとしてしまうような、そんな感覚でした。アレを味わうために来年もまた参加したいと思ってしまうほどです。

体の火照りがとれましたらプールからあがり、解放されたトランジションエリアから装備を回収してから参加賞のカレーをいただきます。カレーにはキュウリの一本漬けが添えてあるのもお馴染みでして、コレがまた美味い。
このカレー、参加者以外でも有料で購入できますので、妻も買いまして二人でモグモグ。食後にもう一度プールに浸かってうへへへと堪能しまして、着替えて帰路に就きました。
終わってみればリザルトは霞ヶ浦ほどの好成績ではなくて上から15%くらい。
でもいいのです。ことこのたかはらやまトライアスロンに関しては、完走を果たしただけでも大満足。メチャクチャ苦しかったですがランの途中で歩くこともせずに走り切りました。よく頑張ったぞ、俺!!!!
コースのキツさも別格なら、ゴール後の達成感もまた別格のたかはらやまトライアスロン。やっぱり楽しかった。
この大会には地元の高校生の方々がボランティアでスタッフ参加してくれているのですが、それもまたなんとも楽しい。エイドポイントで水を渡してくれたり、折り返し点でチェックしたりするごとに彼ら・彼女らがかけてくれる「頑張ってください!!」のなんと励みになる事か!!
そういえばバイク折り返しのポイントでは、ゼッケンナンバーからその都度チェックしてくれたのだと思われますが「○○さん頑張ってください!!」と名指しで励ましてくれたりもしました。力が出たなぁ。
貴重な夏休みの1日(準備を含めると何日になるやら…)を使ってまでと思うとただただ感謝です。
うん、やっぱりたかはらやまは別格だ。
来年も出るぞぉ~!!
次の大会は8月末の大お祭りイベント「木更津トライアスロン」。
オリンピックディスタンスだけでも参加人数1000人を超えるという、日本最大規模の大会です。
駐車場でご縁のあったUさんも参加されるという事ですが、なんせそれだけのマンモス大会。運良く会場で再会出来ればいいのですが、はてさて…?



コメント
[…] その後、偶然にも前回のMさんに会うことが出来て挨拶を交わした後で帰路に就きました。朝と違ってすっかり混雑していた海ほたるに寄って遅めの昼食を食べまして […]
[…] ①東京都トライアスロン渡良瀬大会または木更津トライアスロン…いきなり二択ですが、前者は私にとってその年のトライアスロンの始まりとなる大会で、後者は日本最大級のお祭り大会。今年は東京オリンピックの影響でこの2大会の開催日が1週間違いとなったため、連続ではキツイのでどちらかの大会にだけ出るつもりでした。②たかはらやまトライアスロン私が愛してやまない大会。問答無用で参加を決意。③霞ヶ浦トライアスロンフェスタ去年も出た大会ですが、素晴らしいタイミングで今年からミドルディスタンスのカテゴリーが追加されまして、オリンピックディスタンスからのステップアップを目論んでいた私は大喜びで参加を決意。 […]
[…] 以前書きましたが数あるトライアスロンの大会の中でも私の特にお気に入りの大会である、栃木県矢板市で開催される「たかはらやまトライアスロン」。 […]